思春期に突然多発した円形脱毛症

当時、私は高校1年生でした。

第一志望の高校へ入学。

髪を茶色く染め、スカートを短くし、順調に高校デビューを果たした矢先でした。

毎朝気合いを入れてヘアセットしているのに、学校へ着く頃には、前髪がパックリ割れてしまうのです。

どんなにしっかりブローしても、次の日も、その次の日も、前髪はパックリ割れていました。

原因が分からないまま1週間程この現象に悩んでいると、ついに決定的な瞬間が訪れます…

シャンプーをしている時に、右の手の指の腹につるつるとした感触…

つるつるの正体は、右後頭部に発症した直径3cm程の、円形脱毛でした。

パニックに陥り、シャンプーも流さずに台所にいる母の元まで走っていきました。

前髪が分かれてしまうのも、生え際に小さな脱毛があったことが原因でした。

次の日の放課後、学校の近くの脳外科(吐き気を伴う頭痛も頻繁にあったため)へ…

よく見ると、小さいものを含め、7つほど、円形に脱毛していました。

脳には特に以上がないことがわかったので、大学病院の皮膚科へ紹介状を書いてもらい、週に1度通うことに。この通院生活は約1年程続きます。

髪が抜けるスピードはビックリするほど早く、このまま全部なくなってしまうのではないか、という強迫観念に苛まれました。

朝起きてまず行う事は、枕に落ちている髪の毛の本数を数えること。

1日に抜けても大丈夫な髪の毛の本数は、だいたい100本ほど。

この頃、私の枕には、毎朝200本近くの髪の毛が落ちていました。

パッと見て目立つ脱毛箇所には、アイブロウペンシルで色をつけて登校していました。

学校では、誰かの「くすくす」と笑う声に、脱毛が気付かれたのでは…と怯え、家では涙を流しながら優しく優しくシャンプーをして、抜け毛を数えて…

朝起きたら、髪の毛が全部なくなってしまうのではないかと、眠るのが怖かったのを今でもはっきりと覚えています。

一番ひどかった時期は脱毛が発症してから2カ月程たった頃です。

掌ほどの円形脱毛が後頭部に2箇所。

ゆるくポニーテールにして脱毛箇所を隠し、見えるところはアイブロウで隠して過ごしていました。

2ヵ月が過ぎた頃から、抜け毛は少なくなり、脱毛箇所にはチクチクと頼りない毛が生えてきました。

高校生だった私は、どちらかと言えばポジティブな性格で、長い間落ち込む経験はありませんでした。

むしろ、脱毛症を発症するまで、自分の気持ちは”気”の持ちようで何とでもできる、とすら思っていたのです。

脱毛を経験して得た教訓などはありませんが、自分の力の及ばない圧倒的な絶望に苦しめられ、辛い時間を過ごしたことで初めて、”気”の持ちようではどうにもできない、圧倒的な絶望があることを知りました。

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